マイルスの超弩級ライヴ盤「アガルタ」「パンゲア」で今日の体調を計る。

今夜のBGM・・・ Miles Davis / AGHARTA
このアルバムを聴いているということは、体調がいい証拠だ。
そんな聴くものの体調を問うほどのヴォリューム、そしてカロリーたっぷり。
キーワードはジミヘン、ファンカデリック、サンタナのサード・アルバム・・・。これらが好きな人なら必ずはまる、マイルス・デイヴィスの必殺ライヴ盤「アガルタ」と「パンゲア
今日はたまたま「アガルタ」を聴いていますが、「アガルタ」と「パンゲア」は同日のライヴの昼の部と夜の部。それぞれが2枚組アルバムなので、あわせて4枚組みライヴ・アルバム!と考えることができます。オエー。
「アガルタ」のオープニングは、ファンカデリックも真っ青のどす黒いファンク・ナンバー。一方の「パンゲア」は、レッド・ツェッペリンにもどうだ!といわんばかりのハードロック・ナンバーで始まるので、そのときの気分によってどちらを聴くか決めてます。
この時のマイルス・バンドの肝となるのが、巨漢ギタリスト、ピート・コージー。ドラムのアル・フォスターとベースのマイケル・ヘンダーソンが作り出す黒いビートにのって、ジミヘンがのりうつったかのように延々と垂れ流す、強烈に歪んだギターソロが始まると、周りに異様なオーラが漂ってきます。
「アガルタ」では、ディスク1の前半、30分以上続く怒涛のファンク攻撃「プレリュード」が終わり、「マイシャ」が始まる瞬間の美しさが最高です。マイルスは美しいトランペット・ソロだけでなく、要所要所で弾くオルガンでもいい雰囲気を出してます。J.B.もたまにオルガンを弾きますが、オルガンにはバンドに指示を与えるコントローラーのような働きがあるのだとか。
一番でかい音で聴ける場所、ということで、以前はよく車の中でヴォリュームを思い切り上げて聴いていましたが、いま思うととっても危険。よく事故らなかったなあ。いまではもっぱらヘッドフォンです。
とにかく1曲が長い(というか、繋ぎ目が無いのでどこまでが1曲だかよくわからない)ので、一度聴きだすと途中で止めにくい。それゆえ体調の優れたときでないとついていけません。そのかわり、無事聴き終えた時の充実感は最高。マラソン完走した感じってこんなんでしょうか?(ランナーの方に怒られそう)
聴いててこれだけ疲れるので、やる方はもっと疲れるだろうなあ。実際この後マイルスは長い休養期間に入ってしまうわけだし。それも納得のこの密度の濃さ。70年代エレクトリック・マイルスの集大成にして、ロック/ファンク/ジャズを含むポピュラー・ミュージックが一番遠いところまで行った瞬間の記録。
この記事へのコメント
確かに「アガ・パン」は、体力のバロメーターではありますよね。正直この4枚ぶっとおしってのは、今現在無理であります。残念ながら。
奈良県にある生駒山から大阪へ車でおりていく時に、このジャケットのような大阪の街並みが見えまして、「そうだ!マイルス聴こう!!」ってなります(いつもは電車通勤です)。
わたしは愛知県の人間ですが、一度だけ生駒山から大阪方面の夜景を見たことがあります。
ほんとうに綺麗でした。
いつもあんな夜景を見られるなんて羨ましい限りです。
私は「アガ・パン」を聴く時は体調もそうなんですが、ストレスとかない時です。考える事が何もなく悩みもない時ですかね。でも名盤ですよね。このレコードから音が流れてくる最初の瞬間心がもってかれるのはなんなんだろ?
おっしゃるとおり、「アガルタ」も「パンゲア」も、イントロのカッコよさがずば抜けていいですね。調子のいいときはそのまま最後まで聞き続けれるんですが、いまいちの時は途中で止めてしまいます(笑)。
このアルバム大好きです。カナさんのおっしゃるように、マイシャに入っていく瞬間が本当に美しいですね。マイルスのオルガンの音も抜群です。
リンクさせて頂きたいのですがよろしいでしょうか?
またお邪魔いたします。
http://rollins1581.blog18.fc2.com/
ジャズの記事はあまり書いてませんが、よろしければ是非リンクしていただけるとありがたいです。こちらからも貼らせていただきます。よろしくお願いします。
50歳になり、そろそろいいかな・・と
ジャズのアルバムを200枚くらい大人買い
しました。本などを読むとマイルスが
どうやら中心のようなので集中して聞きました。
そして「アガ・パン」に捕まりました。
アコースティックも嫌いではないのですが
どうしてもこのライブに捕まってしまいます。
というわけで私のジャズは「アガ・パン」
ということになりました。まちがいでしょうか?
はじめまして。ジャズしか聴かない人にとって、エレクトリック時代のマイルスって未だに抵抗がある人もいるみたいですが、ロックからジャズに入った者にとって「アガ・パン」は王道なのではと思います。
わたしもジャズに関してそれほど偉そうなことは言えませんが、stingさんの感性はとても正しいと思いますよ。