パワー・ポップ・フェス本命盤、ジェリーフィッシュの「こぼれたミルク」登場!

今夜のBGM・・・ JELLYFISH / SPILT MILK
くだらん話題で1回休みしたパワー・ポップ・フェスティヴァル、気を取り直して、第4回です。
今夜はいよいよ、パワー・ポップという枠に捕らわれずとも、90年代を代表する屈指の名盤と呼ばれている(わたしが思っているだけ?)、ジェリーフィッシュ 「こぼれたミルクに泣かないで」 (試聴はコチラ!) の登場です。
以前の記事で、パワー・ポップ名盤10枚を選んだときには、このアルバムでなくファーストの「ベリィバトゥン」を挙げていました。そちらは、名曲「彼女のあやまち(NOW SHE KNOWS SHE'S WRONG)」や「ベイビーズ・カミン・バック」を含み、純粋に彼らの作る曲の良さが堪能できるアルバムです。
しかし、変質狂的に凝りに凝ったアレンジや、アルバム全体の完成度、トータル感ということではやはり、このセカンド・アルバム(にして彼らのラスト・アルバム)に尽きます。
まず、ジャケットのインナースリーブの写真を見て驚愕します。スタジオの中に所狭しと並んだ、キーボードやギター、打楽器、管楽器、中には見たこともないような楽器、楽器、楽器・・・・・。これホントに全部レコーディングに使ったんかいな?
しかし本当に使ったに違いない、と思わせるほどのバラエティに富んだ、カラフルな演奏、豊潤なアレンジ。こいつらは本物のポップ・マニア、スタジオ・レコーディング・オタクです!
一言で彼らの音楽を表現することは難しいのですが、アルバムを聴く限り、直接影響を与えていると思われるアーティストの名前を列挙していくと・・・クイーン、10cc、ポール・マッカートニー、ビーチ・ボーイズ、ラズベリーズ・・・といったところでしょうか。これらのアーティストが好きな人なら、まず外すことはないアルバムです。
もっとも、中心メンバーのアンディ・スターマー(奥田民生との交流、パフィーへの曲提供でも有名ですね)は、凄いジャズ・マニアでもあるそうなので、一筋縄ではいきません。(XTCのアンディ・パートリッジもジャズ・マニアらしい。気になるポップ・マエストロとジャズの関係)
全曲、捨て曲なしのアルバムですが、特にウィングス風のギターで始まる⑪「言葉にさよならを(TOO MUCH, TOO LITTLE, TOO SOON)」は名曲。しかし、曲の出来も然ることながら、1曲目からラストまでの、流れるような展開がなんといっても素晴らしい。ちゃんと曲のつながりや全体の構成を意識して作られている。最初の曲てフェイドインしてくるストリングスの音と、ラストの曲でフェイドアウトする音が同じで、リピート再生すると最初と最後がつながってループします。これも、アルバム通して聴いて欲しいという彼らのメッセージです、多分。
最初から一気に聴き通してしまうアルバムは、90年代以降では珍しいのでは?近年、収録時間がどんどん長くなる傾向にありますが、その点、このアルバムは12曲入りで46分強と、聴き通すには丁度良い長さ。なんでもかんでも詰め込めばいいってもんじゃないでしょ!
久々に聴きなおして、あらためてその素晴らしさにため息をついてます。ジェリーフィッシュ、短いながらも激しく光り輝いた名ユニットでした。
この記事へのコメント
泣ける(こればっか)最初ビートルズに聴こえました。まじで泣けるなぁ・・
どちらかと言うとアンチビーのわたくしも認めざるを得ないPOP万華鏡。
ウェイン・オブ~は1st、2ndまでは聴いたものの未超、後のは全く知らない人なので、ふむふむと読むだけでした。
後、この祭りには、あいつと、そいつと、こいつと…
楽しみです!
カナさんのおかげで、今年になってジェリーフィッシュデビューを果たし、有り難く思っています(笑)。
このアルバム、本当良いですね。発売当時聴かなかったことを後悔しています。
>最初ビートルズに聴こえました。
もろ、ビートルズ~ウイングス直系ですね。
このアルバムは、+クイーンといった感じです。パンクっぽい勢いは無く、もっとモラトリアムな感じですが、オススメです!
>後、この祭りには、あいつと、そいつと、こいつと…
出なかったらすみません(笑)。とりあえず、時代を遡って行こうと思ってます。
「ベリーバトゥン」も良いですが、アルバムとしてはコチラの方が完成度高いと思います。でもあちらには「ジェット」や「ノー・マター・ホワット」のカヴァーが入っててたまらないですよね。
このアルバムが出たのももう10年以上前になりますね。当時は狂ったように聴きまくってました。
久々に聴いても、やはり良いものは良いですね。
反応遅くなりました..m(__)m
今、歯痛に悶絶してる(?)わたくしなので、明日歯医者に行ってからまたコメントさせてくださーい..m(__)m
うーーん。。カナさん、ジェリー・フィッシュ、すごくお好きそうですね・・!!
文章から、ひしひしと愛情の香りが漂ってきます・・!
では、明日帰って来てからゆっくり拝読させていただいて、またコメントしますね~☆
遅くなりました・・。
このアルバムが私の周りですごくウケてた頃のことを思い出そうとしたのですが、不思議に思い出せないです。。
それよりも、“The Ghost at Number One ”が心にのめり込んできた20代後半のときの方が鮮明に思い出せますね。。
ジャケットに写ってるのはレコーディングの機材だったんですねぇ・・。
初めて知りました・・!(^_^)
それまでは、バンドロゴがちとばかりアニメっぽいなぁ。。とか思っていたのですが。。(魔法使いサリーちゃんとか魔女っ子メグちゃんのイメージ。。)
そういえば、アンディ・スターマー(アンディちゅわん。めちゃくちゃやるせな系なので勝手に愛称・笑)って、アニメ・・というか、日本の歌謡曲が好きでしたよね・・?たしか・・。
キャンディーズの歌とかピンクレディーの歌とか歌ってませんでしたっけ・・??(^_^)
奥田民生と交流があったり、かなりの日本びいきなんですねぇ・・☆
ルルさん、歯痛なのに丁寧なコメントありがとうございます。m(__)m
>バンドロゴがちとばかりアニメっぽいなぁ。。とか思っていたのですが。。(魔法使いサリーちゃんとか魔女っ子メグちゃんのイメージ。。)
さすがにいいとこつきますねえ。ラムちゃんの刺青があるマシュー・スイートとか、向こうのオタクPOP者は日本のアニメが大好きですから、影響あるのかも知れません。
魔女っ子アニメについてはhttp://ongakusakaba.at.webry.info/200508/article_21.html
でわたしもちょっと書いてるので人のこと言えないです(汗)。
キャンディーズも。
http://ongakusakaba.at.webry.info/200510/article_21.html