U.S.パンク入門オムニバス!「CBGBとUSパンクの誕生」

今夜のBGM・・・ CBGB’s AND THE BIRTH OF U.S.PUNK
今日聴いているのは、USパンク誕生~黎明期に活躍したアーティスト達の代表曲を集めたオムニバス盤、「CBGBとUSパンクの誕生」だ!試聴はコチラ!
U.S.パンクと言っても、セックス・ピストルズやクラッシュのロンドン・パンクと比べてイメージが掴みにくいところもありますが、60年代後半のヴェルヴェット・アンダーグラウンドがやっていた地下アートと結びついたアングラ・ロックや、サーティーンス・フロア・エレヴェイターズらのサイケデリック・ロック、ストゥージズやMC5などのガレージ・ロック・バンドたちを始祖とする、アンチ商業主義、ストリート感覚を持つロック・アーティスト達の総称とでもと言ったらよいでしょうか。
代表的なメンツとしては、ラモーンズ、テレヴィジョン、パティ・スミス、リチャード・ヘル、ジョニー・サンダース、ブロンディ・・・トーキング・ヘッズまで行くと「ニュー・ウェイブ」って感じかな?
はっきり言って音楽的には何の共通点もありません。その辺がロンドン・パンクと違ってイメージが掴みにくい所かも。共通しているのは姿勢の問題です。
とにかくこのコンピ盤は、「USパンクって何?」っていう人には手っ取り早い入門編であると同時に、アルバム単位ではなかなか揃えにくい(笑)マニアックなアーティストの代表曲も収録しているので、テレヴィジョンやパティ・スミスなんかの有名どころを聴いてしまった人にも何かと便利なコンピです。(←わたしのことか?)
ちなみにCBGBというのは、マクシズ・カンサス・シティと並んで上記バンドたちがよく出演していたライヴ・クラブの名前です。厳密に言うと、ここに収録しているアーティストが全てCBGBに出演していたわけではないのですが、まあその辺は雰囲気ということで。とりあえず収録曲リストをどうぞ!
1. I’m Waiting For The Man (The Velvet Underground&Nico)
2. Louie Louie (The Sonics)
3. Excuse,Excuse (The Seeds)
4. Slip Inside This House (The 13th Floor Elevators)
5. Trash (New York Dolls)
6. Tight Pants (Iggy&The Stooges)
7. Agitated (Electric Eels)
8. Speed Queen (Suicide)
9. Heart Of Darkness (Peru Ubu)
10. Blank Generation (Richard Hell&The Voidoids)
11. Friction (Television)
12. I Had Too Much To Dream Last Night (Weyne County&The Electric Chairs)
13. Rip Her To Shreds (Blondie)
14. California Uber Alles (Dead Kennedys)
15. Sonic Reducer(Original Mix) (Dead Boys)
16. Judy Is A Punk(Original Demo’75) (Ramones)
17. Born To Lose (Johnny Thunders&The Heartbreakers)
18. Roadrunner(Once) (Jonathan Richman&The Modern Lovers)
レーベル上の問題だと思いますが、パティ・スミスは収録されてません。まあ、パティ姉御はオリジナルで聴いてもらうとして。
①いきなりヴェルヴェッツから始まるというのも、背筋がピンと伸びる感じがして良いのでは。
②ソニックスの「ルイ・ルイ」はパンク・バンドお得意のオールディーズ・ナンバーで、キンクスなんかもやってますが、この荒っぽい演奏はまさに元祖ガレージ。シャウトにしびれます。
④いきなり脳天横殴り!の強烈ガレージ・サイケ・サウンドがカッコ良過ぎるサーティーンス・フロア・エレヴェイターズ!暗闇の中を無灯火で突っ走るようなスリルがたまりません。この1曲だけで買いか?
⑧パンクというよりもカンなどのジャーマンロックに近いクールで無機質なスーサイド。
⑨同じくカンに非常に近い手触りを持つ、ペル・ウブ。NYの地下はドイツと繋がってるね。
⑩USパンクのアンセム、リチャード・へルの名曲「ブランク・ジェネレーション」。このヘロヘロの歌いっぷりを聴くとやはりジョニー・サンダースとは兄弟としか思えない(笑)。カッコよすぎる。
⑪貴重音源はほとんど入ってないこのコンピですが、注目はテレヴィジョンの「フリクション」のライヴ・ヴァージョン。スタジオ盤より20%速めの演奏は実にスリリングで、テレヴィジョンもやっぱりパンク・バンドだったんだということを実感します。
⑫女装の怪人?ウェイン・カウンティ率いるエレクトリック・チェアーズ(電気椅子)、この曲はちょっとストーンズの「黒く塗れ!」っぽいですが。
⑮デッド・ボーイズになると、サウンドはロンドン・パンクに近く、かなりストレートだ。ストゥージズの影響をモロに受けていそう。
⑱ジョナサン・リッチマンとモダン・ラヴァーズになると、メンバーが後にトーキング・ヘッズやカーズに流れたようにかなりポップより。
ラモーンズやジョニー・サンダースに関しては以前個別に取り上げたので、詳しくはパンクのカテゴリーを御覧下さい。どっちにしろ、このコンピだけではUSパンクは語れないので、以下に取り上げた重要オリジナル作品だけは最低でも聴いて欲しいですね。
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この記事へのコメント
確かに、USパンク(または、その祖)ってどんなもの?っていうのを知るにはいいアルバムですね(^^)。
カナさんも書かれていますが、「スタジオ盤より20%速め」の「Friction」、とっても興味があります。是非聴きたい1曲ですね(^^)。
この人選、ヨダレ垂れそうです・・・。
The Seeds、The 13th Floor Elevators、そして、Johnny Thunders!
もう、これだけでも買いでしょう!
The 13th Floor Elevatorsのテンション、
聴くたびにやられます。独特の感じがたまりませんね。
>いきなりヴェルヴェッツから始まるというのも、背筋がピンと伸びる感じがして
伝わりますね!心して聴けよって感じ、確かにします。(笑)
ソニックスは所長さんのブログでも
取り上げられていましたね。
あの有名な「ルイルイ」はこのバンドのオリジナルなのですね。
「フリクション」のライブ音源はどこから持ってきたのかわかりませんがこのコンピで初めて聴きました。あの印象的なギターのフレーズが裏返るところで鳥肌が立ちました!
わたし、結構このコンピで初めて聴いたバンドが多くって(笑)。The SeedsもThe 13th Floor Elevatorsもそうなんです。13th Floor Elevatorsはその後オリジナルも買いましたが。最高です。
コメントどうもです!
「ルイ・ルイ」のオリジナルは誰か忘れましたが、確かキングスメンの方がソニックスより早いはずです。ガレージ・バンドやパンク・バンドがこぞってカヴァーしてる人気曲で、「ルイ・ルイ」のかヴァーばっかり集めたコンピ盤も出てるくらいです。全曲ルイ・ルイ(笑)。
USパンクは奥が深いですよね。イギリスのパンクより数が多くて、追求していくと迷宮にまよってしまう・・・実はこんなに早い時期からパンクな音を出してた・・とか多いですよね。
こんばんは。
どこまでパンクっていったらよいかわかんないですよね。キリがない。その意味では純粋にパンクって言えるのはロンドン・パンクだけなのかも知れませんね。
>「フリクション」のライブ音源はどこから持ってきたのかわかりませんが
『The Blow Up!』ですね。多分。
オリジナルはカセットで発売されていました。
CDで現在も購入可能です。
>「ルイ・ルイ」のオリジナルは
Richard Berry & The Pharaohsです。
僕も去年買った「Love That Louie」というコンピCDがオススメです。
僕のとこにも記事を書いてますので、よろしかったらドウゾ。
http://ton-goo.seesaa.net/article/6639169.html
おお!情報ありがとうございます!
「Love That Louie」の記事、拝見しました。
面白い!まさにルイ・ルイ無間地獄、ですね(笑)。
読ませていただきましたが、爆笑しました。というか、怖いもの知らずですね~。特にエクスプロイテッドとGBHの記述はヤバイですよ~。ぼく知ーらないっと。