イカれた睡眠導入剤、「ソング・サイクル」。

今夜のBGM・・・ VAN DYKE PARKS / SONG CYCLE
めったに取り出すことがないけど、取り出して聴くと必ずといっていいほど寝てしまう(笑)。ヴァン・ダイク・パークスの「ソング・サイクル」。最後まで寝ずに聴けたことってあんまりないな。副作用ゼロの睡眠剤代わりにどうぞ・・・ってそれって音楽の使い方としてどうなんだ?
ヴァン・ダイクの関わった他のアーティストの作品・・・ビーチ・ボーイズの「スマイル」周辺作品とかハーパース・ビザールとかランディ・ニューマンとかライ・クーダーとかはっぴいえんどの作品は、そのストレンジな味付けがいい味になってて大好きなんだけど、さすがにここまでストレンジ過ぎると一言で好きと断じることはできない(笑)。
そんなわけでもう20年近く聴いてるけど未だに謎が多い1枚。だからといって決して売りはしないのだけど。それは睡眠剤代わりに使えるからではなくて、やっぱりどこかに不思議かつ底知れぬ魅力があるからだと思う。いつの日かこのアルバムの本当のよさが分かる日が来るんではないかという希望を持ち続けながら聴いてる(笑)。そんで20年かよ!
それに自分の場合は、内容が理解できないから売るってことは絶対ない。十分理解して飽きたから、あるいは一聴してつまらないものと判断したから手放すのであって、理解できなかったから売るなんて悔し過ぎる!少なくとも理解した上で好きか嫌いか判断したいので、よーわからんうちに売るってことは絶対にしない。
特にコレはもうちょっとで届きそうな気がするんだよね・・・。最初に寝るっていったけどその眠りがあまりにも心地いい(笑)。その秘密はのっぺりとした音像、リズムの立体感や躍動感というものがほとんどなくて、のっぺりとしたオケと薄っぺらいヴォーカルが横すべりするようにゆっくりと流れていく。
時間軸がゆっくりとねじまがっていくような狂気じみた感覚。次から次へと現れては消えていく映画の一場面、一場面のような。甘美なメロディが紡ぎだす悪夢。テープ・ループのズレが生み出すゆがんだグルーヴ・・・うーむ、どんなキャッチ・コピーを並べ立てたところで、このアルバムの本質をうまく表現できているとは思えない。
究極のドラッグ体験ミュージックともいえるし、ドラッグ体験で感じる世界感や宇宙感を徹底的に冷徹で覚めた目で再現してるともいえる。架空のアメリカン・ロード・ムービーのサントラのようでもあるし、アメリカン・ミュージックのエッセンスを1枚のアルバムに集約したショーケースのようでもある。
うーん、やっぱりうまくまとまらないな(笑)。もうあと20年は聴き続けないといけないね。
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