エリック・クラプトンの「クロスローズ」変遷の歴史。

今夜のBGM・・・ ROBERT JOHNSON / THE COMPLETE RECORDINGS
なんで今、ロバート・ジョンソンかというと、10月に来日するトッド・ラングレンがロバート・ジョンソンをカヴァーしてギター弾きまくる・・・という情報が入っているので。トッドには似合わないけど、まあトッド好きとしては観にいこうと思っているので、久々に聴いてみるか・・・という軽い感じで聴き始めたのですが、いやーやっぱりちょっと簡単に聴き流すことはできないですね、ハードです(笑)。
塩辛い録音の奥に渦巻く情念・・・ギターのテクも凄いのですが、それよりもまず歌声にガツンとやられます。ロバート・ジョンソンのカヴァーをしてるアーティストは数多いですが、この声まで完コピしてるアーティストはまずいないよ。まあ声を完コピするのに意味があるかわからないけど(笑)。少なくともこの変な声(爆)に潜む情念だけはカヴァーして欲しいなあ、山崎まさよしみたいにサラッと歌わないでさ。
んで、ロバート・ジョンソン=カヴァーする人が多いってことで、ローリング・ストーンズの「ラヴ・イン・ベイン」や「ストップ・ブレイキング・ダウン・ブルース」も有名ですが、なんといってもロバート・ジョンソンといえばズバリ、エリック・クラプトンでしょう!
ブルース・ブレイカーズ時代から大事にプレイしている「ランブリング・オン・マイ・マインド」もいいですが、やはりクラプトンの代名詞といえばクリーム時代の代表曲「クロスローズ」。上の曲がこんな激しくなってしまうのだからこのアレンジは大発明です。後半のインタープレイが凄すぎ。
近年になってロバート・ジョンソンの曲だけでカヴァーアルバムまで作っているクラプトン。しかし個人的な意見を言わせてもらえばあのカヴァー集はいただけない。歌も演奏も余裕がありすぎる。上で言ったような情念の部分が足りないから。まだ「フロム・ザ・クレイドル」のが気合入ってたぞ。90年代のクラプトンはオリジナル曲はAORとして好きだけどブルースのカヴァーはいまいちね。いい時もあるけど。70年代の酒とドラッグでボロボロの頃のブルース・カヴァーの方がよかったなあ。
というわけで90年代の「クロスローズ」はこんな余裕のアレンジに変化しました。
ところが最近ではまたクリーム時代のアレンジに近いカタチで演奏してるみたいね。これは「現代の3大ギタリスト」の1人、ジョン・メイヤーと競演したときの「クロスローズ」。イキるメイヤーもよいが貫禄で受け流すギターおじさん、クラプトンのスケールの大きい余裕のプレイに安心感を覚えます。
というわけでクラプトンと「クロスローズ」の変遷の歴史でした。You Tubeって便利だね。
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この記事へのコメント
オアシスより、ECのほうが似合わないよ(笑)
ちなみに、僕はECは身を削ってでも来れば観に行きますが、トット・ラングレンはタダでチケをもらっても、アメが降ってれば行かないと思います(笑)
ジョン・メイヤーいいよねぇ。クラプトンより、魂こもっています。
トッド、平日だしなぁ。仕事暇なら見に行きたいが。
数だけは結構書いてるんですけどね、ECさん。オアシスはこの前初めて書きましたが、実はECは13本目です。でも結構ボロボロなこと書いてるので(かつてはクリーム嫌いという暴言も!)誤解されやすいんですが、愛憎入り混じっているのでどうしてもヒネた表現になってしまいます。
でもV.J.さんのEC愛(愛憎?)の度合いには足元にも及びません(笑)。
メイヤーは金持ちで女性にモテるところが気に入りませんが(爆)やっぱり上手いですよね。新旧ギター・セレブ対決です(笑)。
メイヤーはクラプトンの横で気を抜くわけにはいかないですよね。対するクラプトンは完全に好々爺というか、ただのギターのうまいおっさんモードで流してますよね。
クリームの「素晴らしき世界」LPでよく聴いたし、
まあ出発点なのでどんな「ダメ犬」状態でもOKっちゅうことです♪
むしろ「ダメ犬」状態のクラプトンの方がよかったりしますよね(笑)。「素晴らしき世界」は文字通り素晴らし過ぎますが、上のアルバムだと「Ec Was Here」あたりの力の抜け具合が個人的には一番好きです。スタジオ盤だとやっぱり「ダメ犬」ジャケの「安息の地」ですかね(笑)。