ジェイムス・テイラーの作る楽曲に漂う、そこはかとないソウル感覚。

今夜のBGM・・・ JAMES TAYLOR / ONE MAN DOG
小船に乗った、男が1人と、犬1匹。
ワン、マン、ドッグ・・・。
という、身もふたもないタイトルの、ジェイムス・テイラー1972年の作品。
多分、「ワン・マン・パレード」と「チリ・ドッグ」という曲が入っているので、
「じゃあタイトルは2つをくっつけてワン・マン・ドッグでいんじゃね?」(JT)
「あーいーね、それ」(ダニー・クーチ)
・・・てなぐらいの軽いノリで名付けたと思われます。
ジャケも、多分そのへんにいる雑種の犬(ジェイムスの飼い犬かもしれん)を連れてきて、自宅の裏の池でパチリ、ぐらいの肩の力の抜け方です。アウトドアなのにネクタイして妙にカッチリした格好してるのも可笑しい。
でもそのリラックスした雰囲気がこのアルバムの一番の魅力。インストの小品を含め、1分から3分に満たないような短い曲がズラリと18曲、まるでメドレーのように流れていきます。
自宅スタジオでのセッションをそのまま録音したかのようなカジュアルさ。なのにこの陰影に富んだ繊細な演奏は、ダニー・クーチをはじめとする気心の知れたメンバーのサポートもさることながら、ジェイムス・テイラーの作るレベルの高い楽曲に裏打ちされています。
か細いようで芯の強い歌声。ほどよく散りばめられたラテン・フレイバー。アコースティックなのにグルーヴィー。
そして個人的にとても思い出深い曲、『寂しい夜』が収録されていることで、ジェイムス・テイラーのアルバムの中でも一番好きな作品です。
実はこの曲を知ったのは、アイズレー・ブラザーズによるカヴァーが先だったのですが、ロナルド・アイズレーは完全に自分のオリジナル曲のように歌いこなしています。素晴らしいアレンジ。今でも涙なしでは聴けない1曲です。
トッド・ラングレンの「ハロー・イッツ・ミー」といい、ドゥービーズの「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」といい、アイズレーズは白人によるポップ・ソングのソウル・カヴァーが抜群にうまい。
それというのも、原曲に漂うソウルフルな薫りを彼らが直感的に感じ取っているからでしょう。ジェイムス・テイラーの作る曲もまた、そういった意味ではブルー・アイド・ソウルと言っていいのかも知れません。
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この記事へのコメント
そういえばジェイムス・テイラーとキャロル・キングのライヴ行かれたんでしたっけ。久々に飲みたいですね。