マイケル・フランクスとAOR総論。
今日の寝入りの1枚は、マイケル・フランクスの「スリーピング・ジプシー」です。
まさに寝入りにピッタリな作品。
いわゆるAORを代表するアーティストの1人、マイケル・フランクス。
ただし、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)なんてジャンルはレコード売るために日本のレコード会社が勝手に作った造語で、
アメリカにもイギリスにもそんな言葉はない。(似た言葉はある)
直訳すれば「大人向けのロック」ってことだけど、当時ロックはティーンが聴く音楽という認識が一般的だったから成り立つわけで、
今は若者はロックを聴かず、ロックを聴いてるのはオッサンだけなので、すべてのロックがAORなんじゃい!
(けだし、あいみょんの「君はロックを聴かない」は名曲)
なので「大人向けロック」というよりは、「70年代から80年代にかけて流行った、都会的で洗練されたお洒落なロックw」
と言った方が今はいいのかも知れない。
そもそもジャンルではないので、AORと呼ばれるアーティストの音楽性の振り幅も広い。
私が思うに超大ざっぱに分けて3タイプあると思っている。
①ハード・ロック系AOR
代表的なのはエアプレイとか。ジャーニーのバラード系とか、後期シカゴもかな。
分厚いギター・サウンドと大仰なシンセ・サウンド。
ロマンティック・ハードネスとか、産業ロック(By渋谷陽一)と呼ばれることもある。
TOTOも曲によってはそうかな。
あまり黒っぽさを感じないことが多い。
②ブルース・R&B系AOR
いわゆるブルーアイド・ソウルやブルースがソフィスティケイトされた音楽。
ボズ・スキャッグス、ボビー・コールドウェル、クリス・レアなど。
多分AORと呼ばれる音楽の7割方がこれだと思う。
TOTOでも「ジョージー・ポージー」とかはこっちかな。
ホール&オーツなんかも曲によってはここに入ると思う。
白人によるR&Bというイメージ。
③ジャズ・ボサノバ系AOR
ジャズやブラジル音楽に影響を受けたポップス。
ここでやっとマイケル・フランクスが出てくる(笑)。
他にニック・デカロとか。ネッド・ドヒニーもかな。
ポップス寄りのジャズ(ジョージ・ベンソンとか)や、
イージーリスニング系のボサノバ(アントニオ・カルロス・ジョビンの「波」とか)
も広義ではここに入れてもいいと思う。
ジャジーなコード進行、ラテンの香り、気だるい雰囲気がキーワード。
以上ザックリです。
もちろん全部が上のパターンに当てはまるわけではなく、
同じアーティストでも曲によっては②だったり③だったり、
②と③の中間だったり。
①と③はあまりダブらないかな。
例えばスティーリー・ダンだったら初期は②が多いけど
後期やドナルド・フェイゲンのソロになると③の要素が増えたりとか、色んなパターンがあります。
ちょっとマイケル・フランクスのことを書こうと思っただけなのに、何故かAORの総論になってしまった。
もう寝よう。
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